世の中には様々な靴がありますが、そのどれもが「足を守る」「楽に歩く・走る」ことを目的に作られた”守りの靴”がほとんどです。
「足を鍛えたい」「どんな環境でも疲れにくいようにしたい」「痛みがあるからクッションのある靴しか履けない」「根本の原因をどうにかしたい」そんな悩みを抱える方には”攻めの靴”が必要かもしれません。
今までの当たり前の常識を覆す、新しい靴「ベアフットシューズ」を実際の使用感や理学療法士の専門知識を交えて徹底解説していきます!
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はじめに
この記事では、足の潜在能力を引き出す「ベアフットシューズ」について徹底解説していきます。
この記事を読めばあなたの足の悩みを変えられる可能性があります。
【もはや裸足!】ベアフットシューズとは?
ベアフットシューズと聞いてもピンとこない人が多いと思いますが、簡単に言えば”裸足の感覚で歩ける靴”です。
通常、靴は足を守り、快適に歩く・走ることをサポートする物がほとんどであり、サポート性の低い靴、クッション性の低い靴は世間的に「悪い靴」「微妙な靴」と評価されることが多いです。
しかし、それを逆手に取り、本来人間の持つ機能を引き出すことにフォーカスをあて、開発されたのが今回紹介する「ベアフットシューズ」です!
以下にベアフットシューズの特徴を紹介します。
ベアフットシューズの特徴
- ゼロドロップ(かかとからつま先までの高低差がない)
ハイヒールや革靴に限らず、一般的なスニーカーですら、かかとからつま先までの高さの差(ドロップ)があります。一方、適切なベアフットシューズは、本来の足と同じように、ゼロドロップ(かかとからつま先までの高低差がない)です。比較すると、従来のランニングシューズには8-14mmのドロップがあります。ベアフットシューズを謳っている靴でも、実際には4-7mmのドロップがあることも。一般的な靴よりはドロップが少ないですが、これでは完全なベアフットとは言えないでしょう。 - 低いスタックハイト(ソール厚)
スタックハイトとは、ソールの高さ、つまり足と地面の間の靴の厚みのことです。ベアフットシューズのソール厚は通常3-8mmで、足で地面を感じられるようになっています。一方、従来のランニングシューズのソール厚は9-30mmとされています。 - 広いトゥボックス(つま先部分)
トゥボックスはその名の通り、つま先のスペースを指します。ベアフットシューズは広いトゥボックスを持ち、つま先が広がったり反発したりするのに十分なスペースがあります。一般的な靴は先が細くなっており、つま先が圧迫され、強さや敏捷性が損なわれてしまいます。 - クッションやサポートが少ない
一般的な靴にはアーチサポート、足首のサポート、クッション性のあるソールなど、多くのクッションやサポートが付いていますが、ベアフットシューズにはこれらが一切ありません。足をしっかりと動かすことで、本来の強さを引き出します。 - 軽量で柔軟
ベアフットシューズは必然的にデザインもミニマムになり、市場で最も軽量で柔軟な靴と言えるでしょう。
*引用:ベアフットシューズでのトレーニングをおすすめする理由
ではベアフットシューズを履くことでどのような効果が得られるのでしょうか?次の項で詳しく説明していきます。
【本来の機能を呼び覚ます】ベアフットシューズの驚くべき効果
ベアフットシューズを履くことで以下の効果が期待できます。
- 足の指の可動域向上・足部内在筋の強化(土踏まずの形成)
- 腰痛・膝痛の改善
- ダイエット効果
- バランス能力の向上
上記以外にも、足部アライメント不良による身体の不調に対しても効果が出る場合があります。
足の指の可動域向上・足部内在筋の強化(土踏まずの形成)

ベアフットシューズを履くことで歩行時に足の指がしっかりと開き、地面をつかむことが可能になります。それにより、地面をしっかりと蹴ったり、踏ん張ることができるため、足部の内在筋がしっかりと働くようになり、土踏まずの機能改善が期待できます。
足部の内在筋とは土踏まずを形成するうえで重要な筋肉です。土踏まずは地面からの衝撃を緩衝する役割があるため、足部内在筋が弱ってくると足部のアライメントが崩れ、身体のさまざまな部位に負担をかけてしまいます。
代表的なものに足底腱膜炎があります。これは繰り返し、足底への負荷がかかり続け、衝撃を逃がせないことにより疲労が蓄積し機能破綻してしまう状態です。痛みが強く、歩行困難になる人も多い厄介な疾患です。
足底腱膜炎に対して、まずは痛みを軽減することが重要となってきますが、痛みが軽減した後は強化することで再発予防に努める必要があります。そんな時にもベアフットシューズが便利です。
腰痛・膝痛の改善

足部アライメントの崩れから腰部や膝関節にストレスがかかり、痛みを生じる例は少なくありません。
そのような方の足部はアライメントが崩れていることが多く、そんな人には足部の強化が推奨されます。
ベアフットシューズを履くことでバランスがとりやすくなり、腰などへの負担が減ると同時に、足部の強化もできるため、土踏まずの崩れが原因で起きる腰痛・膝痛などにも効果が期待できます。
ダイエット効果
足部アライメントが改善することで、脚のバランスが整い、痩せやすい身体になります。
また、女性の悩みで多い「足が太く見える」といった悩みを持つ方では、足部のバランスが崩れていることが多く、そういった方にはベアフットシューズによるトレーニングが効果的です。
また、ドロップ(踵とつま先の高低差)がないのでふくらはぎの筋肉も効率的に使うことができ、むくみなどの改善も期待できます。
バランス能力の向上
ベアフットシューズの使用で足の指の可動性の向上や、足底からの感覚入力が向上することが報告されています。
指がしっかりと動くことで地面をしっかりと踏みしめることができるため、バランスを崩しにくくなります。また、足底からの感覚入力が増えることでバランスをとりやすくなり、無駄な動きが減ると言われています。
VIVO BAREFOOTが公開している動画がとても分かりやすいのでぜひご覧ください。
【正直レビュー】メレル VAPOR GLOVE 6を実際に使用してみた
今回筆者はメレル VAPOR GLOVE 6を実際に使用し、その使用感と効果をまとめてみました!ぜひ、参考にしてみてください。
【全体像】

めちゃくちゃ軽い。クッション皆無(笑)。でも、足の裏の感覚はダイレクトにわかる!指もよく動く!
見た目は、好みの問題。普段履きは少ししづらいというのが私の本音。
【アウトソール】

Vibram sole採用でグリップ力・耐久性・耐摩耗性(削れにくさ)がかなり良い。
【屈曲性】

ほとんど足部をサポートする機能がなく、邪魔するものがない。だからとってもよく曲がる。曲がりすぎなくらい。(笑)
【使用感】
1か月使ってみた感想を時系列にまとめてみました!参考程度にご覧ください。
(1日目)
地面、地面、地面。歩くたびに地面を感じる。(笑)小学校の上履きを思い出すような履き心地。
正直、この靴のどこがいいのか、、、そう思ってしまうほど(笑)
まあでも高かったししばらく履いてみるか!ww
(2日目)
足の裏・ふくらはぎが筋肉痛!めっちゃ効いてる!
シンプルに足がキツい。
(7日目)
1週間が経つと、不思議なことに同じ距離では筋肉痛になりづらくなってきた。
心なしか指で地面をつかむという感覚も分かりやすく、家の中をはだしで歩いたときにすごく床材質の違いを感じ取れるようになった(笑)
(30日目)
明らかにふくらはぎが引き締まっている。指の踏ん張りも指の可動域も確実に広がっている!
そして、普通の靴を履いた時の推進力がすごい!
今まで感じることのなかった普通の靴のありがたみを実感(笑)
1か月間、着用してみて「今まで靴に頼りすぎて、自分の足の機能を全然使えていなかった」という
ことを身をもって実感しました。
実際、病院で患者様をみていると、スリッパやサポート性の高い靴ばかりを履いていたという人が多く、そういった人の方が足の指や土踏まずの筋力低下・変形が多い印象を受けます。
逆に若い頃から、裸足での生活やサポート性の少ない靴ばかり履いていたという人の方が足の崩れが少なく、ご高齢になっても健康な足であることが多いです。
メレルのベアフットシューズが気になる方はこちらからチェックしてみてください。
【誰にでもいいわけではない】オススメする人・しない人
この靴は実際に履いてみた私も感じましたが、かなり負荷のかかるシューズです。
今現在、膝や腰が痛くて生活がままならないような人が履いてしまうと余計に症状を悪化させてしまう可能性もあります。
そういった方はまず、病院などを受診、もしくは痛みが引き、生活がある程度送れるようになってから生活の中にトレーニングとして取り入れるのがオススメです。
トレーニングをしていきたいけど全然わからない!そんな方にはこちらの記事もオススメ。
以下にベアフットシューズをオススメする人、オススメしない人をまとめました。
オススメする人
- 足を徹底的に鍛えぬきたい人
- 足底腱膜炎などで足裏が弱ってしまった人のリハビリ(痛みが引いてから)
- 部活や趣味で運動をしていて怪我の予防をしたい人
- 普段きつい靴を履いていて、脚の変形が心配なひと
オススメしない人
- 現段階で足を痛めている人
- 生まれつき土踏まずが柔らかく、偏平足の人
- しんどい靴を履きたくない人
まとめ
今回は足を徹底的に鍛えられる靴”ベアフットシューズ”について体験談を含めてお話ししました。
合う人、合わない人はいると思いますが、脚に悩みを抱える人にとっての選択肢が増えれば幸いです。
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