「ダイエットしたいけど、運動する時間がない…」「効率よく痩せられる運動があれば知りたい!」
そんな方におすすめなのが、今話題の HIT(ハイ・インテンシティ・トレーニング) です。
HITは、短時間・高強度で行うトレーニングで、時間がない人でも脂肪をしっかり燃やせるのが最大の魅力。理学療法士の視点から、安全で効果的なやり方を紹介していきます。
筆者プロフィール
1. HITトレーニングとは?
HITとは「High-Intensity Training(高強度トレーニング)」の略で、全力で短時間の運動を行い、心拍数を一気に上げるという方法です。
一般的な筋トレやランニングと比べて、短い時間で高い効果が期待できるため、海外や日本でも多くのスポーツ医療専門家が推奨しています。
よく似た言葉に「HIIT(High-Intensity Interval Training)」がありますが、HIITは心肺機能向上や脂肪燃焼に特化しており、HITは筋力強化や爆発力に重点を置いたトレーニングです。
HITは、アスリートだけでなく、初心者やダイエット目的の方でも安全に応用可能です(Hess et al., 2020)。
2. HITトレーニングの効果とメリット
①ダイエットに最適!高い脂肪燃焼効果
HITは、わずか20分程度の運動でも体脂肪を減らす効果が高いとされ、多くの研究でも支持されています(Keating et al., 2017)。特に内臓脂肪の減少に効果があり、生活習慣病の予防にもつながります。
② 代謝が上がり「痩せやすい体」に
HITを行うと運動後もカロリーを消費する「アフターバーン効果」が期待できます(Boutcher, 2011)。
これは運動後24〜48時間ほど基礎代謝が高まり、寝ている間にも脂肪が燃えるという現象です。
また筋肉が維持・増加することで、リバウンドしにくく、持続的な体質改善も見込めます。
筋トレや運動によるメリットについてはこちらの記事で詳しく解説!
③忙しい人でも続けやすい
HITは1回15〜20分と短い時間で実施できます。セット数を調整すれば負荷量を軽くしたり、高くしたりもできる点が忙しい人にはうれしいポイント。
通勤前、育児のスキマ時間、ジムに行けない日でも、自宅でできるのが大きなメリットです。
④ 心肺機能・スタミナ向上
全身運動を行うことで、心臓や肺の機能も強化され、疲れにくい体づくりができます。
継続して行うことで体力がつくだけでなく、疲労感の軽減や代謝の向上、自己効力感アップなど様々な面でメリットがあります。
3. HITトレーニングのやり方(初心者向け)
器具不要・自宅でできるHITの基本プログラムを紹介します。
私も病院で勤務する傍ら、自宅でHITトレーンングを実施し、説得力のある身体をつくるよう努力しています。(笑)
▼例:初心者向けHITサーキット(1セット約4分)
- ジャンピングスクワット(20秒)
- 休憩(10秒)
- プッシュアップ(20秒)
- 休憩(10秒)
- バーピージャンプ(20秒)
- 休憩(10秒)
- マウンテンクライマー(20秒)
これを2〜3セット繰り返します。
各運動は「会話ができないほどキツい」強度となるようしっかりと追い込みましょう。
中級者や上級者も、内容を自分好みに変更することで負荷量や鍛える部位を調整できるため、慣れてきた人はろいろなパターンで試してみるのもおススメです!
おまけ:負荷を高めたい方へ
- ジャンピングランジ
- プッシュアップ+肩タッチ
- ケトルベルスイング(器具がある場合)
上記の運動を追加しておこなうとさらにハードに鍛え上げることができます。特にジャンピングスクワットは高負荷かつ全身を使うことができるのでとてもおすすめです!
スクワットの詳しいやり方はこちらの記事でも紹介しています。
4. 安全にHITを行うための注意点
- ウォームアップを必ず行う:ジョギングや動的ストレッチで3〜5分程度、体を温め、心拍数を少し上げておきましょう。
- 膝や腰に不安がある場合は控える:必要に応じて医師や理学療法士に相談し、適切な負荷や運動を意識しましょう。
- 週2〜3回が目安:やりすぎは逆効果。急速による筋肉の回復も大切!(Gillen & Gibala, 2014)。
- 水分補給を忘れずに:高強度な運動では汗が出やすく、知らぬ間に脱水になりやすいです。一気に飲むのではなく、少量を頻回に分けて摂取するように心がけましょう。
- 持病のある方は事前に医師へ:特に高血圧や心疾患のある方は注意しましょう。主治医やかかりつけ医に相談してから実施してくださいね。
5. まとめ:HITは「短時間・高効果」の時代にぴったり!
HITトレーニングは、忙しくても運動効果を最大化できる「コスパ最強」の方法です。
代謝アップ、脂肪燃焼、体力向上など多くのメリットがあり、初心者でも始めやすいのが魅力です!
まずは週2回・15分から取り入れて、無理なく継続していきましょう!
参考文献
- Boutcher SH. High-intensity intermittent exercise and fat loss. J Obes. 2011;2011:868305.
- Keating SE, Johnson NA, Mielke GI, Coombes JS. Obes Rev. 2017 Feb;18(2):943-964.
- Gillen JB, Gibala MJ. Appl Physiol Nutr Metab. 2014 Mar;39(3):409-12.
- Hess CW, et al. J Strength Cond Res. 2020.
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